蔚山高麗亜鉛、チーム創設2年目に囲碁リーグチャンピオンに チャンピオン決定戦で正規リーグ1位のウォンイク撃破
「蔚山(ウルサン)高麗亜鉛」が皆の予想を破って囲碁リーグのチャンピオンになった。
5月17日に閉幕した2023-2024KB国民銀行囲碁リーグチャンピオン決定戦の最終第3戦で、「蔚山高麗亜鉛」が正規リーグ1位の「ウォンイク(WONIK)」を3-1で下し、総合戦績2勝1敗でチーム創設2年ぶりに囲碁リーグ優勝カップを手にした。
正規リーグ2位でポストシーズンに進出した「蔚山高麗亜鉛」は、プレーオフで「韓国物価情報」に2勝1敗を記録し、チャンピオン決定戦に合流した。プレーオフが始まる前までは、準プレーオフで「秀麗な陜川」を破って上がってきた「韓国物価情報」の勝利に賭けた人が多いほど、「蔚山高麗亜鉛」の雰囲気が良くなかった。勝負のカギを握っていた傭兵の廖元赫九段が中国内の日程でポストシーズンに出場できない突発変数が発生したためだ。
しかし、正規リーグで6戦全勝を収めた廖元赫九段の不在は、「蔚山高麗亜鉛」の選手たちを団結させる契機になった。
奇跡のようなプレーオフ逆転勝ち 決勝点の主人公は「紅一点」キムチェヨン
プレーオフ第1戦で「韓国物価情報」に1-3で敗れた後、「蔚山高麗亜鉛」はすぐ反撃に成功した。主将の申旻埈(シンミンジュン)九段と副主将の李昌錫(イチャンソク)九段、3将の文敏鍾(ムンミンジョン)八段が勝利を合作し、3-1で勝負を振り出しに戻した。チャンピオン決定戦進出の運命を分けたプレーオフ最終第3戦は、「蔚山高麗亜鉛」の選手たちに「できる」という自信を与えた起爆剤として作用した。
主将戦で申旻埈九段が姜東潤(カンドンユン)九段に勝利し先制点をもたらしたが、韓相朝(ハンサンジョ)六段と李昌錫九段が「韓国物価情報」の崔宰榮(チェジェヨン)七段と中国傭兵の黨毅飛九段に敗れ崖っぷちに立たされてしまった。敗れればすぐに脱落する絶体絶命の瞬間、「蔚山高麗亜鉛」の2003年生の末っ子、文敏鍾八段が韓昇周(ハンスンジュ)九段に千金のような半目勝ちをおさめ、タイを作ることに成功した。
午前0時を7分残して始まった最終局は、「蔚山高麗亜鉛」の5将金彩瑛(キ厶チェヨン)八段と「韓国物価情報」の3将朴珉奎(パクミンギュ)九段が激突した。
対局前までランキング(20位vs88位)、相対戦績(2勝)、リーグ成績などすべての指標でリードしていた朴珉奎九段の楽勝が予想されたが、ふたを開けてみると結果は違った。午前1時10分に終わったプレーオフ第3戦の最終局の結果は、囲碁リーガーの「紅一点」、金彩瑛八段の黑中押し勝ちで終わった。金彩瑛八段の勝ちで所属チームの「蔚山高麗亜鉛」は、チャンピオン決定戦のチケットを手に入れた。
逆転負けして悔し涙を零した「韓国物価情報」は最終局で1~3將がいずれも敗れたのが敗北につながってしまった。
文敏鍾、ポストシーズン5戦全勝の大活躍 朴廷桓ㆍ辜梓豪「ツートップ」ウォンイクが準優勝
チャンピオン決定戦が開かれる前まで、強力な優勝候補は断然正規リーグ1位の「ウォンイク」だった。メジャー世界棋戦5回優勝の朴廷桓(パクぱくジョンファン)九段と現役世界チャンピオン(爛柯杯)の中国傭兵の辜梓豪九段のツートップがあまりにも強かったためだ。
しかし、「蔚山高麗亜鉛」の上昇の勢いは、チャンピオン決定戦でも光を放った。
1勝1敗で対抗したチャンピオン決定戦の最終局は、「蔚山高麗亜鉛」の粘り気のあるチームカラーをそのまま見せてくれた試合だった。
先制点は文敏鍾八段が上げた。ポストシーズン全勝行進を続けていた文敏鍾八段が、「ウォンイク」の超特急傭兵の辜梓豪九段に勝って、気持ち良いスタートを切った。文敏鍾八段は正規リーグで4勝6敗と期待に及ばなかったが、ポストシーズンに突入して5戦全勝でチームの上昇ムードを牽引した。
李昌錫九段が朴廷桓九段に敗れ1-1になったが、主将の申旻埈九段が李志賢(イジヒョン)九段に逆転勝ちし、チームにリードを与えた。申旻埈九段は、第1戦と第2戦の相次ぐ敗北で大きな負担に苦しんだが、最も重要な瞬間についにチャンピオン決定戦初勝利を記録した。結局、リードを取った「蔚山高麗亜鉛」は、4将の韓相朝六段が金眞輝(キムジンフィ)七段を破って決勝点を獲得し、フィナーレを飾った。
優勝後のインタビューで、囲碁リーグ最年少監督の「蔚山高麗亜鉛」の朴承華(パクスンファㆍ35)監督は、「選手の時から始めて優勝は初めてなのに、優勝はこういうことなんだと思うほど気分がとてもいい」とし、「全面的な支援を惜しまないチーム関係者の皆さまと厳しい環境の中でもよく戦ってくれた選手たちのおかげで優勝できた」と目頭を赤くした。
一方、正規リーグ9連勝などシーズンを通して1位を維持し、チャンピオン決定戦に直行した「ウォンイク」は主将の朴廷桓九段が3勝と奮戦したが、準優勝に満足しなければならなかった。中国傭兵の辜梓豪九段が1勝2敗と振るわなかったことが痛かった。辜梓豪九段のチャンピオン決定戦2敗はいずれもチーム負けに直結してしまった。
「蔚山高麗亜鉛」の優勝で6ヶ月間の長程を終えた2023-2024KB国民銀行囲碁リーグはKB国民銀行がタイトルスポンサーを務め、韓国棋院が主催·主管した。囲碁リーグのチーム賞金は優勝チームが2億5千万ウォンで、準優勝チームに1億ウォン、3位チームに6千万ウォン、4位チームに3千万ウォンの賞金が与えられる。