世界最年少入段者の藤田玲央初段 父親と初の韓国行き
昨年9月、関西棋院から英才特別採用で入段し、話題を呼んだ藤田玲央初段が、韓国の自治体主催の全国囲碁大会に初めて参加し、話題の中心となった。
第16回聞慶(厶ンギョン)セジェ杯全国囲碁大会オープン最強部に出場した藤田初段は昨年9月、9歳4ヵ月で日本関西棋院に入段し、世界最年少入段新記録を打ち立てた期待株だったからだ。
オープン最強部には韓国棋院所属の専門棋士114人など計184人が参加し、日本でもプロ棋士5人とアマチュア1人が合流して目を引いた。
プロとアマチュア、男性·女性·年齢·国籍制限なしに誰でも参加できるよう門戸を開いたオープン最強部は、より多くのプロ棋士の参加を誘うために今年賞金を大幅に引き上げた。優勝賞金が前期大会に比べて3倍増額された3000万ウォン、準優勝賞金1000万ウォンで、ほとんどの国内プロ大会賞金にも劣らないほどだったうえ、三日間ですべての日程を終えることができる大会日程がプロ棋士の興味を引いた。
海外旅行が初めてだった藤田初段は、初日の予選でアマチュアのシム·ヒョジュン選手に勝って勢いをつけたが、羅玄(ナヒョン)九段と朴棟柱(パクドンジュ)三段に連続敗れ、本選64強進出には惜しくも失敗した。しかし、父親の藤田陽彦さんは、世界チャンピオン出身の羅玄九段と対局する大切な機会を得ただけでも、韓国に来た甲斐があると満足した。
スキー選手として活躍し、今は鍼灸·接骨院院長に転職した父親は囲碁については門外漢だ。
息子と二人きりで来韓した藤田さんは、ソウル東大門(ドンデムン)近くで1泊後、翌日午前、韓国棋院を訪れ、聞慶行きのバスに乗った。大会中、息子の善戦を祈りながら慌ただしく会場を行き来した父親は、帰国当日までソウルの某道場を見学しなど、息子のために東奔西走した。
毎日10時間近く囲碁の勉強に邁進するという藤田初段の囲碁を見守った韓鐘振(ハンジョンジン)棋士会長は、日本の10歳の有望株の技量をどう評価したのだろうか?
「実力がどれくらいなのか気になったが、韓國の同じ年頃の4年生の中では一番強いようだ。 6年生くらいの実力だと思えばいい。もっと強い相手とスパーリングをすれば、実力が著しく伸びると思う。世界ナンバーワンの申眞諝(シンジンソ)九段のその頃のオーラが感じられるようだ」と高く評価した。