趙南哲、囲碁殿堂入り
韓国囲碁の父と呼ばれる趙南哲(1923年∼2006年)が坂田栄男(二十三世本因坊栄寿ㆍ1920年∼2010年)と共に第16回囲碁殿堂入りとして選ばれた。
有識者、マスコミ関係者、日本棋院役員、棋士で構成された「囲碁殿堂表彰委員会委員」の内、出席された6名により、事前にノミネートされた候補者の中から投票により選出された。
囲碁殿堂入りを果たした趙南哲と坂田栄男に対しては、顕彰レリーフを制作し、日本棋院会館地下一階の「囲碁殿堂資料館」にて展示を行う予定だ。
趙南哲は1937年14歳に渡日して木谷實九段の門下に入門し、1941年韓国人としては初の日本棋院プロ棋士として入段した。
1945年に財団法人韓国棋院の前身である漢城棋院を設立した趙南哲九段は1956年最初の公式プロ棋戦の国手第1位戦を開催しており、1964年9期まで国手9連覇を達成した。
1989年九段に昇段した趙南哲は国手戦、名人戦など国内棋戦で30回優勝し、1984年日本大倉賞、1989年銀冠文化勲章叙勲、1989年雲耕賞文化言論部門賞などを受賞した。
甥の趙治勲九段と現役国会議員である曺薫鉉九段の日本留学を支援するなど、韓日間の囲碁の発展に向けた功労が認められたのが囲碁殿堂入りされるきっかけとなった。
趙南哲九段とともに囲碁殿堂入りを果たした坂田栄男九段は1965年日本棋院歴代連勝1位の29連勝を記録し、本因坊7連覇などで坂田時代を開いた。切れ味の鋭い棋風で「カミソリ坂田」「シノギの坂田」と称された。
「囲碁殿堂資料館」は2004年11月に日本棋院80周年事業の一環としてオープンして以来、偉大な先人達や囲碁文化を咲かせた数々の歴史を振り返り、かつ未来に向かって囲碁文化のさらなる発展を導くために殿堂者顯彰ㆍ企画展示等を行っている。
<過去の殿堂入り>
第1回特別創設記念表彰:徳川家康本因坊算砂、本因坊道策、本因坊秀策
第2回特別創設記念表彰:本因坊丈和
第3回表彰:本因坊秀和、大倉喜七郎
第4回表彰:本因坊秀甫
第5回表彰:本因坊秀栄、本因坊秀哉
第6回表彰:瀬越憲作
第7回表彰:木谷實
第8回表彰:岩本薫
第9回表彰:安井算哲(渋川春海)、陳毅
第10回表彰:喜多文子
第11回表彰:橋本宇太郎
第12回表彰:呉清源
第13回表彰:寛蓮、井上幻庵因碩
第14回表彰:正岡子規
第15回表彰:正力松太郎